森山大道「凶区」
やはりいい写真集だった。
スピード感のあるざらついた白黒の写真だ。
風景の汚れ、街の汚れ、人の汚れを写している。
ただ森山大道の写真というのは、街を歩いていて、目に驚きをもたらしたものを、目に美しさをもたらしたものを、心に驚きをもたらしたものを、心に美しさもたらしたものを、そのとき写すというのではなく、あとからある視点で綴じている<創っている>写真なんだという印象が強く、美術的な<作品>という感じも受けた。
それが森山大道の方法なんだろうかと思ったが、つぎに観た写真集はそういう撮り方ではなかった。
この写真集だけの方法か。
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