映画よりも良い。
それと芝健介の解説もしっかりしていて、ドイツの戦後の思想の歴史の勉強になった。、
今のドイツの社会のことは、ほとんどマスメディアを通じてしか知らなくて、NHKでやる衛星ニュースの中のドイツのテレビ局のをみていると「ユダヤ人」、「ナチス」、「ヒトラー」、「ファシズム」のことが出てくるたびに、ただひたすら恐縮しているようで、ただただ頭が上がらず、自分たちに否定的、というそういう調子が続いているようで、思考停止のように思っていたが、芝健介の解説を読んで、ドイツの戦後の歴史の中でホロコーストやナチスのことについて、自分たちを抑えつけるだけではない、いろいろな考えが出てきていることを知った。
「思考のうちには対象を否定する作用がふくまれますが、ものごとを概念的にとらえるにはこの否定作用が必要です。それは目の前のものを直接にとらえる意識のおしゃべりよりも、はるかに深いものです。それにくらべると、東洋人は自然と一体化して生きている、といういいかたは、皮相で不正確な表現です。というのも、霊魂の活動たる精神はたしかに自然と関係し、自然の真実と一体化しているけれども、この一体化は、じつのところ、その本質からして、あるがままの自然を否定する契機をふくむからです。自然と直接に一体化しているのは、動物の生活、感覚的な生活、知覚にすぎません。精神は自己のうちに還り、自然なものを否定することを通じてはじめて自然と一体化するのです。」
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