「浪人街」面白かった。
昨日観た『浪人街』面白かった。黒木和雄の映画だ。前観たとき、こんなに強い印象は受けなかった。
たぶん2005年過ぎの頃だろう。あの頃はちゃんと頭に入らなかった。
黒木和雄の映画でいいのは『竜馬暗殺』と『TOMORROW 明日』の二本だと思っていた。だがこれも入れていい。三本だ。
昨日観た『浪人街』面白かった。黒木和雄の映画だ。前観たとき、こんなに強い印象は受けなかった。
たぶん2005年過ぎの頃だろう。あの頃はちゃんと頭に入らなかった。
黒木和雄の映画でいいのは『竜馬暗殺』と『TOMORROW 明日』の二本だと思っていた。だがこれも入れていい。三本だ。
ひどい凡作だった。しかし昭和41年に作られたこの映画を観ていて、その背後にある時代の安定感に打たれてしまった。1966年のはずだから戦争が終わって20年というところだが、安定感がすごい。日本の社会がいちばん安定していた時期じゃないか。
ヘミングウェイ原作の、ゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマンが主演する1943年のアメリカ映画。サム・ウッドという人が製作し監督もしている。
ヘミングウェイはスペイン内戦の現実をちゃんとみていると思った。ファシスト軍と戦う共和国派ではあるが、一枚岩というわけではなく、内輪もめはあったし、正しい行いをする人たちばかりが集まったわけでもなかった。
離れて見れば善と悪の戦いだし、正義と不正義の戦いだが、善のなかからもまた<善と悪>が生まれてくる。ヘミングウェイはそれをみている。気づいたのだ。そして常にこうなのだろうと思う。
イングリッド・バーグマンのファンだが、この映画ではゲーリー・クーパーが好演している。けっこういい映画だったな。
これはよかった。よい出来の映画だった。
作家トルーマン・カポーティがカンザス州で起ったある家族4人が殺された事件を取材し続け、『冷血』というノンフィクションの小説を書き上げるまでを描いた映画だ。
これはよかった。
騒ぎ立てない、静かな映画なのに緊張感が凄い。映像から目をはなせなかった。
トルーマン・カポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンが適役で、犯人のうちの一人、ペリー・スミス役のクリフトン・コリンズ・Jr もいい。
ベネット・ミラー監督。
東京オリンピックが終わったようだ。きのう閉会式とテレビ番組表にあったから、終わったんだろう。
楽しめる競技はあった。陸上とかが面白かった。競技として充実していた。
ただ日本選手が出場している試合の放送はアナウンサーと解説者が感情的になりすぎていて、しらけた。
あんまりひどい場合はチャンネルを変えたり、テレビを消したりしていた。しかし日本選手の出ていない試合の放送は、現在のテレビ番組の中では充実していたものといえるんじゃないか。
掘り出し物だった。
今この時代にソビエトの暗部を描こうとする人がいるのかと驚いたが、監督のアニエスカ・ホランドは1948年生まれのポーランド人だった。
これは若い世代が、アメリカの若い世代の映画監督がいま「世界初の社会主義革命の国」の闇を描こうとしているのかと思い、奇特な人がいるもんだとは思わなかったが、いったいどういう人がこういう映画を作るのだろうと思ったのだが、そういうことではなかった。
2019年に作られた映画。2年前だ。
制作国はポーランドとウクライナとイギリス。アメリカはいない。
実在したイギリス人ジャーナリストのガレス・ジョーンズの体験したソビエトの社会が物語の背骨になっている。
1930年代、世界中が不景気にあえぎ、ドイツではヒトラーの率いるナチスが政権をとった。ロイド・ジョージの外交顧問でもあったジョーンズは、イギリスとソ連が協力しナチスドイツと対抗するというプランを持っていた。それと同時に、この世界不況のなか何故ソ連だけが経済的に上手くいっているのか、そのわけを知ろうと思い、ソ連を取材に行くが、そこでソ連がひた隠しにしているあることに気づいてしまう。
ウクライナはよく知られた穀倉地帯だが、そこで穫れた穀物は地元のウクライナで使われていなかった。収穫した穀物はモスクワに送られていた。
ウクライナで穫れた穀物はソ連の外貨獲得の手段として使われていたのだ。ウクライナで収穫された穀物を外貨獲得の手段とするこの政策は徹底しておこなわれた。
ウクライナに飢餓が発生する。しかしウクライナの小麦はウクライナで食べられることはなかった。モスクワへと輸送され続けた。
餓死者が出、餓死者が増え、広がり、大飢饉となってもウクライナには小麦は残されない。数百万人の餓死者とこの映画では語られるが、400万人から1450万人とする見方がある。だからこの大飢饉は穀物を外貨獲得の手段にした、そのことによる結果ではなく、意図的な、当時の共産党の指導者のヨシフ・スターリンのウクライナに対する「政策」、ジェノサイドだという見方も出てくるのだ。
この事実をソ連共産党の治めるソ連は(分かってやってるんだから)当然秘密とするが、しかしガレス・ジョーンズのほかにも何か起っていると気づく外国からの新聞ジャーナリストはいた(当時は新聞がメインだった)。しかし彼らは「革命の国」ソビエトを批判することをためらった。「進歩の国」ソビエトを否定するような記事は書けないのだ。
ソビエトはマルクスという哲学上の最高の知性の到達点の現実化だった。英雄レーニンが革命を起こした国であり、恐慌を生む資本主義経済を克服する国だった。未来へと続く希望の国なのだ。それが当時のインテリ・知識人のソビエト観だった(この認識は長くながく続く)。
映画は気晴らしとして観たいというような精神生活をしていて、観るのは冒険アクション映画か、ファンタジーな「ハリー・ポッター」系統の映画というのがぼくの流れというか傾向なんだが、レンタルビデオ店の棚でこの映画を見つけたときは、観なければならないと思った。
そして観るに値する映画だった。
あまり知られていないがスピルバーグの最高傑作かとも思う。第一級のサスペンスエンターテイメント。
1950年代の東西冷戦を舞台にした映画。映画の最後にケネディの名も出てくるから1960年にかけての話か。ベルリンの壁が造られる頃の話だ。主演のトム・ハンクスが好演し、助演のソ連人スパイ役の俳優もいい味をだしている。
細部までピリッとしている。
スティーヴン・スピルバーグの最高傑作といえば『ジョーズ』だと思っていたが、これかもしれない。
面白かった。快作だ。
1965年の大映映画で、いまは角川映画の所有となっているらしい。
監督は増村保造。これはシリーズものとなっていて、いろんな監督が撮っているが、増村保造のものを選んだ。これがシリーズ第一作のはずだ。
勝新太郎が出ている。
勝新太郎が出ているならば、例によって、勝新太郎が大活躍する、勝新太郎のための映画でもあるんだろうと思ったが、そうではなく、勝新太郎と田村高広の二人の俳優がメインだ。
原作があって、そのためにこういう風になったのだろうが、勝新太郎ひとりに焦点が当たるよりも、この映画にとってよりいい形になっていると思う。
観ていて、日本の軍隊というのは日本社会の縮図のようなもんなんだなと思った。この日本社会のかたちというのは今も続いていて、この社会は資本主義ということだけでは解けないと思った。
中国の満州にいる日本の軍隊の話で、敵との戦闘場面はない。敵は出てこない。ここが秀逸だ。敵は日本の軍隊なのだ。この設定がいい。
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