「ミレニアム」読み終わる
『ミレニアム 3』読み終わった。「3」は<眠れる女と狂卓の騎士>というものすごい副題だ。
これで『ミレニアム』という長い小説を読み終わったことになる。どういう事情なのか、「3」のあと著者を代えて、『ミレニアム』は「6」まで出ているが、この小説はこれで終わったとみるのがいい。
著者のスティーグ・ラーソンは「3」を書き上げた後、急死してしまうのだが、「3」まで読み終えた印象でいえば、書き手を代えてまで書き継ぐ必要があるとは思えない。
この小説の前、読んでいた推理小説はアガサ・クリスティーのものだから、時代が違うとはいえ、かなりのギャップがあった。スティーグ・ラーソンはスウェーデンの人で、これがスウェーデンの小説の性格かと思った。
ねばっこいのだ。
『ミレニアム』は「3」まであって、「1」「2」「3」ともそれぞれ上巻、下巻とあり、全部長いのだ。
『ミレニアム』には確かに衝撃を受けた。リスベット・サランデルというキャラクターは新鮮にして強烈だった。
しかし巻を読み進んでいくうちに、こんなに長く書く必要があるのかと思ったのだ。でも「3」の下巻の中盤あたりからか、この小説の終わりの始まりを思わせるところから、この物語が閉じようとするところから、俄然面白くなり、引き込まれた。
終わり方はいい。広がりのある終わり方だと思う。
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