« パンを食べる | トップページ | アガサ・クリスティー「スリーピング・マーダー」(訳 綾川梓) »

2022年2月 8日 (火)

ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」から

Img_0878-2

「さて、わたしたちは現実に人間であり、理性をもっている。人間的なもの、理性的なものは、わたしたちのうちに、わたしたちの感情や心情や心のうちに、わたしたちの主観性一般のうちに反響します。この反響、この一定の運動が、内容一般を自分のものにしていく働きです。内容のもつさまざまの概念規定が、この内面に集まり、包まれていき、こうして精神が、内部で、普遍的な骨組みにおいて、ぼんやりと織り出されていきます。そのとき、内容は、単純で抽象的な自己確信や自己意識と直接に一体となっている。しかし、精神は精神である以上、その本質からしてなにかを意識するものです。精神は単純な自己へと閉じこもった状態から、自分を対象とする状態へと移行し、みずからを知らねばなりません。このようにみずからを対象化し、対象として意識するしかたそのもののうちに、先にいう区別が全体として横たわっています。」

 

 

 

« パンを食べる | トップページ | アガサ・クリスティー「スリーピング・マーダー」(訳 綾川梓) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« パンを食べる | トップページ | アガサ・クリスティー「スリーピング・マーダー」(訳 綾川梓) »