吉本隆明「超西欧的まで」
1987年11月に弓立社から出ている本。
この本に収められている「日本資本主義のすがた」というのがすごい。これは本当に凄い。
といっても初めて読んだわけではなく、日記を調べると1989年4月15日にこの「日本資本主義のすがた」について書いている。
「吉本隆明の『超西欧的まで』非常に速いペースで読みすすんでいる。
安定した職業がそこからの自由を生むのだろうか。
企業からの(職業からの)自由ーーーいつやめてもよく、いつ働いてもいい。
講演「日本資本主義のすがた」は一読に値する。見事なものだ。
こういうところの吉本隆明はすごい。
経済社会だけは変化しているみたいだ。
賃労働から影響を受けないというのは不可能かもしれない。」
この「日本資本主義のすがた」というのは1981年11月7日に自治労山口県職員労働組合下関支部が主催して、下関市水産会館で講演したもので、そこでは「労働組合論ーーー日本資本主義の構造」という題でしゃべっている。
ずっと持っていたこの本の目次には「日本資本主義のすがた」のところに、その文字の上に赤いボールペンで丸をしている。こういうことは滅多にしないから、よほどの衝撃を受けたのだ。
今回も強い衝撃を受けた。感心した。
これは1981年にしゃべっていることなのだ。
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