堤 美代「日の傘」
詩集。小説を書き出してから、詩の世界にうまく戻れないという体験があって、それでいかにも詩らしい詩を、韻文詩を読みたかった。
それで贈ってもらっているけれども、読めないでいる詩集の中から、それらしい詩集を選んで、読み出した。
堤美代さんの詩集は前に『草の耳』という詩集を読んだことがある。最初はこれは短歌なのだろうか、詩なのだろうかと思った詩集だ。1行詩で、1ページに1行という作りだった。それで堤美代さんの詩集ならまちがいないだろうと思った。
26編。
言い切りもあり、断定もある。
こういう詩を読みたかった。
詩集の中ほどに続けてある三編がいい。
「遠北(とおきた)の金ちゃん」、「言葉より先に」、「空の畑」。
ほかには「薄荷水」、「留守」もいい。
堤美代さんは1939年生まれとある。そうすると今年81才になるのか。ずいぶん元気だ。
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