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家の物の整理をしていたら昭和40年8月14日の新聞が出てきた。読売新聞だ。
池田勇人首相の写真が大きく載っている。「経済繁栄のリーダー」、「池田さんの功績」といった文字がある。
池田首相が死んだときの記事だと思う。名前を覚えている藤山愛一郎の談話が載っていたりするから、死んでから2、3日後の新聞かと思う。
読んでいくと「池田前首相」とある。首相はすでに辞めていたんだ。文字が今の新聞と比べるとものすごく小さいことに目がいく。
この新聞を読もうとするが、文字が小さすぎて読む気にならない。それほど小さい。
13面に「武智監督ら書類送検」「映画『黒い雪』」という記事が載っている。「計40人をワイセツ図画陳列罪で書類送検した。」とある。
まあ捨てずに置いておいて、いつか読んでみようと思うが、とにかく文字が小さいのでびっくりだ。この頃の日本人はこの文字の大きさを当然と思って読んでいたわけだ。
外交官でフランスの駐日大使だったポール・クローデルの外交書簡を本にしたものを読み始めている。訳は奈良道子。
この人は詩も書き、戯曲も書く人だ。
常に何かを読んでいるが、読むに足る本というのはそんなにはなくて、この本を読み始める前には2冊、途中で読むのをやめてしまっている。
『孤独な帝国 日本の1920年代』を最後まで読むことになるのかどうなるのかまだわからないが、日本人とはちがうところからみた日本の政府の、日本の体制のなかの人びとへの視線、見方がいまのところ興味がもてる。
漫画家の谷口ジローが関川夏央の原作で描いていた山県有朋の姿と、フランス人ポール・クローデルの視線のなかの山県有朋の姿が重なる。こういう人物が日本の方向を決定する大きな力を持っていたのかと思う。
朝起きて、寒いと思って温湿計をみるといつも7℃だ。これが朝6時の室温で、この冬いちばん寒いときの朝の室温だ。
けっこう寒い。身体にくる。湿度は58%だったり59%だったりというところ。この湿度が身体にどう影響しているのかわからないが寒いのだ。
朝の石油ストーブは必要だ。
寒の入りというのが1月6日前後で、これを小寒といい、1月20日頃を大寒といい、大寒から立春の2月4日頃までがもっとも寒さの厳しい時で、この1月6日前後から立春が来るまでを寒の内というらしい。これは毎年の冬の温度の変化と合っている。
この寒さの流れはずっと昔から変わっていないのだ。
ギレルモ・デル・トロ監督の『ヘルボーイ』面白かった。怪奇ロマンSFアドベンチャー映画って感じだが、完成度は高い。この種の映画としては最高のランクに位置する。中だるみも余計なところもなかった。
あの世へと通じる冥界の門がナチスドイツによって開かれようとし、企みを知ったアメリカ軍の急襲によってその企ては阻止されるが、どういう弾みか摩訶不思議な赤ちゃんが地獄から飛び出てきてしまう。角を生やし赤色の肌をした奇妙な赤ちゃんだ。
この赤ちゃんが成長し、不気味なデカい力持ちの男となる。このヘルボーイと名付けられた男が、やはり地獄からおくられてきたモンスターたちと戦い、それだけじゃなくて愛にも恋にも悩むという物語だ。
ギレルモ・デル・トロ監督はこういうグロで、怪奇で、おどろおどろしいしかしどこか真実味がある物語を作るのが好きなんだなあと思った。
グッド。
非常によい。
もう一つ思ったのは、いまやどう悪く描こうとどう言おうと文句がでないのはヒトラーのナチスドイツだけになったんだなあということ。だからヒトラーやナチスを扱った映画やドキュメンタリーが目立つ。他のものは抗議が出るんだろう。軍国ニッポンもスターリンのソビエトも。
戦後ドイツはヒトラーやナチスについてはどう言われようが文句はいうまいと自制しているようにみえる。ほかの国はそういうことはやめてしまったのだ。
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