
これは掘り出し物だった。ツタヤで何を借りようかと棚をずっと見て歩いていて、これは面白いんじゃないかなと借りたのがこれだった。
アマゾンの密林のなにか、古代の壮大な歴史物という感じのDVDの入れ物にある宣伝文と写真だった。
メル・ギブソンは『ブレイブハート』という映画も監督しているから、結構いけるんじゃないかとおもったのだ。
掘り出し物だった。
民俗学的にいうと、おそらく氏族あたりなんだろうと思うが南米の密林に点在している氏族があり、それを統合して巨大な国家を造ろうとしている氏族というか、すでに国家のかたちをとっている氏族もあり、その氏族間の抗争、巨大な国家の誕生するときのあつれき、悲劇、巨大な国家の暴力、その巨大な国家に一人挑もうとする滅ぼされた氏族の若い男。
そんな物語だ。かなり面白い。メル・ギブソンは出演せず、監督に専念している。このあたりにもメル・ギブソンのやる気がうかがわれる。
歴史的な物語なのに面白く作ってある。誰でも知っている歴史ではなく、南米のインカ帝国かマヤ帝国かアステカ帝国かそんな時代の話だから、説明がいる。その説明も観ているうちに分かるように作ってある。
しかしヒットはしなかったろう。スターは誰も出ないし、南米の氏族間の抗争という話だ。
入れ物に何々賞受賞というのもなかった。評価されなかったのかもしれない。南米の古代国家の祝祭には生け贄が使われていたというのはよく知られていることだが、その祝祭で、階段状に建てられた神殿でほかの氏族の捕虜が生け贄にされる場面もある。古代の文明の様子がよくわかる場面で、面白くは作ってあるが、逸脱はしていない。しかしジャーナリズムからは「人種差別的だ」みたいな勘違いなことも言われたような気がする。
この映画がちゃんとした評価を得ていないとしたら残念だ。
面白いんだ。メル・ギブソンのやる気が満々としている。映画愛がある。
メル・ギブソンはあまり名を聞かなくなった。女性問題か何かで評判を落としているような記事をだいぶ前に読んだとおもう。それにこの映画がヒットせず、ジャーナリズムの評判もよくなかったことが影響しているのではないかと推測する。
メル・ギブソンは借金と失意に苦しんだんじゃないかと推測する。
『アポカリプト』は絶対ヒットするし、高い評価を得ると信じて疑わなかったんだろうな。
「アポカリプト」というのはどういう意味なんだろうと思って調べたが、ぼくの持っている英和辞典には載ってなかった。ネットにあったものをそのまま引っ張ってくると「ギリシャ語で『隠されたものが明らかになる』という意味」だそうだ。
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