「小林秀雄集」を借りる
目次を見て、読んだものばかりかもしれないと思ったが、読んでいないものがみつかるかもしれないと思い、借りた。
小林秀雄には功成り名遂げた人というところもあるが、小林秀雄を読んでいるとみずみずしい水をたたえた井戸に出会うことがある。その井戸から<知恵>の水を汲むことができるのだ。
何度も救われたことがある。
東京のある整体所に、教祖とその疑似家族という側面をもった人たちの整体所に、長いあいだ通わなければならない状況にあった。
その教祖にいじめられるかして、追いつめられた。こころが悲鳴をあげた。そのとき<小林秀雄>に救われたのだ。よくおぼえている。
ちょうどその時、小林秀雄を読んでいたのか、小林秀雄を読む気になったのか、偶然なのか、なにかを探すように小林秀雄を開いたのか。
そのときみずみずしい水が体に流れこんできた。体にみずみずしい水が満ちるのを感じた。そのとき<道が開いた>のだ。よく覚えている。
あのときはピンチだった。
こういう体験はヘーゲルにもある。ヘーゲルにも何度か救われた。
最も熱心に長く読んだのは吉本隆明だが、吉本隆明から受けとった多くのものは、こういったものとはちがうものだと思う。
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