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名画だった。
驚いた。
これほどの映画なのに、その割には知られていない。
ぼくにしてもこのツタヤにはぼくの観たい映画がもう一本もないと、嘆きつつ店内を2回まわって、仕方なしに選んだ一本だったのだ。
反戦映画を超えた映画だと思い、それをまた超えていた。
制作年は載っていなかったので、わからないが、主演のアリダ・ヴァリの腰回りが『第三の男』の頃に比べると、2倍くらいにはなっていることと、映画の中のストーリーの設定からして1960年過ぎだとおもうが、白黒の映像の感じは、1950年代初めから半ばというところだ。
アンリ・コルピ監督。マルグリット・デュラス脚本。
アリダ・ヴァリがよく、彼女の代表作だろう。相手役の男優もいい。
4月26日、大阪の南天満公園でやった唐組の公演『ジャガーの眼』を観に行った。
『ジャガーの眼』は今までで1回か2回くらい観ているとおもう。何年ぶりだろう。
去年も南天満公園に唐組の芝居を観に行ったが、大阪という都市の交通のことはよく分からなくて、JRの大阪駅を出た後、地下鉄の東梅田駅に行こうとして、そこに行くまでの道がややこしくて迷ってしまい、冷や汗をかいた。
今年はさすがに行き先を案内する矢印を目当てにしながら、東梅田駅の入り口の分かりにくさにはまいりつつも、一度案内所で聞いただけで、見つけることができた。
大阪は都会だ。乾いたコンクリートの巨大な匂いがする。東京と同じだ。
天満橋駅で下りる。
南天満公園の西の端の方にある紅テントまで歩く。この公園はわるくない。大きな河のそばを歩く。
唐組の受け付けで公演のチケットを買う。2時に行ったときにはもう受け付けまでの列ができていた。
それから天満橋の一駅先になる予約していたホテルに向かい、チェックインする。
これでひと安心だ。寝る場所は確保したわけだ。午後3時。
夕食は予定通りマクドナルドのビッグマックのセットにした。ずっと食べていなかったので、食べたかった。
唐組・第63回公演 『ジャガーの眼』
作・唐十郎 演出・久保井研+唐十郎
大阪公演に来る客は東京の客よりも熱心だとおもう。かなり集まった人たちをみていて、そうおもう。
先生に引率された女子生徒たちがたくさんやって来たのでびっくりする。高校生か大学生か。高校生だな。女子生徒ばっかりだから女子校か。宝塚にはみえない。高校の演劇部だろうか。20人か30人はいる。だいたい30人だ。30人もいる演劇部なんてあるんだろか。
こんなことは初めてだ。
東京の新宿花園神社で長く唐組の芝居を観ていたが、唐十郎が舞台に出なくなってからは段々と客が少なくなっていって、唐組は興行を続けられるんだろうかと心配してしまったが、今日は盛況だ。
物語は、ストーリーは例によってよく分からない。分かっているのは唐十郎だけじゃないか。
辻孝彦も稲荷卓央も赤松由美も気田睦も出てこない。辻孝彦が出てこないのは当然だが・・・。
役者がだいぶ代わっている。初めて観るような役者たちがたくさんでてくる。
「少年ヤスヒロ」を演じる大鶴美仁音がいい。
中心にある久保井研の座りがよくなり、久保井研の劇団になりつつあるという印象だ。
芝居の途中から雨が強く降ってきて、テントをたたく。芝居と現実との通路を開くラストが印象的になった。
ホテルの朝食はとらずに、ホテルのすぐ横にあるコンビニで朝メシを買った。
ホテルの朝食はおいしくないだろうということと、普段は食べないパンを、自ら禁じているパンを食べたかった。
9時半頃チェックアウトする。
唐組の芝居を観に来るのに全部で3万くらいかかっている。交通費、チケット代、ホテル代、食費など。
ホテルのベッドは身体が沈み込むベットで寝つきはよかったんだが、途中で目が覚めてしまい充分に眠れたとはいえない。
こうまでして観に来ることはないんじゃないかと思ったりするが、唐組を観なくなると、もう演劇とは縁が切れることになるだろう。どうしたもんだろう・・・。
流れだな。流れできまるだろう。明日は明日の風が吹く。
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