金成隆一「ルポ トランプ王国」
良いアメリカについての本だった。
アメリカのトランプ支持の多い地域に行って、トランプ支持者たちの声を聞いている。
なるほどなあと納得できる声もあるが、それでもこの人たちは、ドナルド・トランプという人間をちゃんと見ていないという思いはのこる。
読み終わってしばらくしておもったが、トランプに投票した人たちのなかには、国民からはなれてしまった政治の世界を、もういちど国民の側にもどしたいと思って投票した人もいただろう、そのことをおもった。
いちばんよかったのは、著者の金成隆一がトランプのアメリカを語っている第7章の「アメリカン・ドリームの終焉」で、納得できるものだった。トランプのアメリカについては多くの人が語っているが、これは最も的確なものの一つだと思う。
個人的には前しらべたアメリカの福音派の存在というものからトランプ支持をみることはやはり有効だとおもえた。その印象ももった。
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