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2018年12月18日 (火)

「月」を買う

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 辺見庸の小説『月』を買う。1836円。期待するところ大。


 詩的な文体だ。

 読むのにスタミナがいるが、詩とちがって小説は、とくに長編小説は<読み落とし>があっても大丈夫だろうから、その分楽だ。

 辺見庸は吉本隆明にくらべると自分にちかい世代なんだなと感じる。装幀へのこだわりなんかにそれを感じる。

 読むのがつらい小説だ。

 「6」の終わり頃から面白くなってきた。

 無意識に、現実の人間の原形に、とどこうとする言葉の群れというところか。

 「15」まできた。

 「15」は面白かった。

 辺見庸は現実社会では強者だったのかもしれない。「16」を読んで、そう思う。

 辺見庸においては<共産主義>がまだ神格化されている。「17」を読んでそう思う。世代的な刻印を感じる。

 ここは面白い。「18」から。

 「からだというのは、ほんとうは、ことばをはねつける。ことばをどこか深い奥のところでこばむ。からだとことばが一体のものだとかんがえているひとがいるとしたら、よっぽどおめでたいひとだ。」


 

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<17>を「17」に直しました。

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