「ゴルバチョフ回想録」の上巻を読みつづける
ゴルバチョフの回想録を、上巻だが、読みつづけている。
ぼくは困惑している。
ゴルバチョフ、つまりソ連共産党書記長だった男の、すぐれた認識をしめす記述がいくつかあるからだ。書いたものではそうだ。
ソ連共産党書記長といえば、地上の悪の根源のような存在のソビエト共産党の、そのリーダーだ。
しかし読んでいると、ゴルバチョフ時代のソ連のほうが、エリツィンのロシアよりも、プーチンのロシアよりもよい政治をやろうとしていたのだとおもえる。
少なくともプーチンのロシアよりはよい政治をやろうとしていたのだとおもえる。
いったいどうなってるんだ、と思いつつ、読んでいる。
1989年12月、ぼくは私的なトラブルの渦のなかに落ちて、世界情勢どころではなくなるのだが、それまではソビエトが、ソ連が、崩壊することを強く望んでいたのはまちがいない。もうエリツィンが表舞台に出て、活躍していたのだとしたら、情勢がエリツィンの方に傾くことを、これも強く望んでいただろう。
そのぼくの思いは、間違っていたのかも知れないのだ・・・。
ぼくは深く困惑する。
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