「ニッポン国 VS 泉南石綿村」を観にいく
原一男監督はスキャンダリストかとおもった。現実を撮るということから離れて、向こう側にまわって、現実をいじろうとしている。
それってありかい。ということで、原一男監督はもうぼくにとって特別の存在ではなくなった。
なんとなく原一男の『ゆきゆきて、神軍』は、ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』みたいなもんかなとおもった。
アスベスト(石綿)には悩まされた。勤務先の建物にアスベストをつかった所があったのだ。そこに行かないわけにはいかなかった。心理的にも辛かった。『ニッポン国vs泉南石綿村』を観てよかったとおもうのは、ぼくの吸った量は、この人たちに比べると、はっきり微量だといえるなということだった。(申し訳ない)。
観客は少なかった。石綿による被害の現実を知る、数字だけじゃなく、実際に被害にあった人たちの現実を知る(それを被害というんだ)、ということでは貴重なドキュメンタリー映画だ。
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