水田安則詩集「八月の家族」
鮮烈な詩集だ。
緊張感があり、みずみずしい。それはこの詩集の詩を書いている水田安則にとって詩を書くというおこないが、自身にとって意味のあることであり、自らの内面の水路をたどっていく行為であり得ているということを示している。この詩集のみずみずしさはそこからくる。
現実(の汚れ)につながろうとする九編目の詩、「死の淵」はぼくも通ったことのある道で、親近感を持つ。
巻頭の「垂れ下がる屈折の空へまっすぐのびる屈折の樹」から「名前のない樹」までがすごくいい。
特権的にいい。
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