ヘーゲル「哲学史講義Ⅱ」についてのメモ その10
「ディオゲネス」のところではヘーゲルは面白いことを言う。
「服装のよしあしなど理性が決める事柄ではなく、欲望に従えばいいのです。」
ヘーゲルのイメージとはちがっていて、欲望というものに対して禁欲的ではないのだ。ある領域では欲望というものをバーンと認めていけばいいという考えのようだ。ここは面白いし、なるほどなと思った。
こんなふうにも言っている。
「しかし欲望にできるだけしばられないようにするという生きかたは、抽象的な自由にすぎない。具体的な自由とは、欲望に無関心な生きかたをしつつも欲望を避けず、欲望を満たしながらも自由を失わず、」
とこんなふうに言う。感心する。ぼくはこんなふうにできたかな。
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