ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」についてのメモ その8
訳の分からないコトバを追うというのも楽しいものだなと、昼の光りのあふれる部屋でこの本を、この文章を読みつづけていると、そう思ったりする。
あきらかに普段使わないあたまと心をつかっていて、それが面白いというか、楽しいというか、愉快な感じがする。刺激になってるんだ。
「耳の聞きわける音楽上の関係が数学的に定義できること、ーーー和音と不協和音の聞きわけが数学的な比較であることを最初に洞察した人が、ピタゴラスです。」
これは「数を応用して宇宙をとらえる」のところにある話。
ほかに『哲学史講義Ⅰ』の終わりのほうに、アナクサゴラスについて話しているところで、いい文章がある。
「これに反して、アテネ人たちはソロンによって権利の平等と精神の統一を保証する国家機構をあたえられたばかりでなく、個人にも活動の余地があたえられ、国家権力は(最高監督官ではなく)国民にゆだねられ、僭主追放ののちは、国民は国家権力を手中にした真に自由な国民となりました。個々人自身が全体を自覚し、全体のなかで自分を意識し、自分の行為をおこなっていたので、だからこそ自由な意識が形成されたといえます。」
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