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2016年7月27日 (水)

「ドクトル・ジバゴ」を観に行く

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 風景を撮るために生まれてきたような映画監督であるデヴィッド・リーンがほぼ風景を封印して人間ドラマに挑戦した『ドクトル・ジバゴ』。
 ぼくはデヴィッド・リーンの映画でちゃんと観たといえるのは三本だけだが、たぶん、この『ドクトル・ジバゴ』が人間ドラマの出来としては、デヴィッド・リーンの映画作品のなかで最高のものだろうと思った。
 ロシア革命を軸に、その前後の人間ドラマが描かれる。歴史の嵐のなかの人間たち、その人間群像。デヴィッド・リーンの大好きな設定だ。
 ぼくが観た『アラビアのロレンス』、『ライアンの娘』もそうだった。
 最大の希望だったロシア革命はやがて、最大の悲劇へと変わっていく。だからとうぜん話しは暗くなる。そのせいがあるにしても、デヴィッド・リーンはやはり人間ドラマが得意じゃないなと思うのは、観ていて息がつまってしまうようなところがあるからだ。
 そんなとき、そんな場面になると鳴り響くのはモーリス・ジャールの「ララのテーマ」だ。これは評判通りの名曲で、デヴィッド・リーンはこの「ララのテーマ」にずいぶん助けられている。
 映画を観る前、ポスターなどで印象が強かったのは、ララを演じるジュリー・クリスティだったが、じっさいに映画を観ていてもっと素敵だと思ったのはジバゴの妻を演じたジェラルディン・チャップリンだ。りりしくも可愛らしくも、あどけなくもあるまなざしがいい。
 ロシア革命にほんろうされる青年医師ジバゴを演じるオマー・シャリフが好演する。

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