三木成夫「胎児の世界」
大きな深いところにある地下水にふれるような思いで、三木成夫の『生命とリズム』、『内臓とこころ』、この『胎児の世界』と読んできたが、最後の最後のほうで、少しひっかかった。
地球という星の生命の流れのはるか昔から今にいたるものを「天皇制」と結びつけるのは無理がある。唐突にすぎる。
ぼくは田舎の村落共同体的なところで育ったから、日本的な濃密さの光と影を知っている。
だから三木成夫のこういう<思い>には用心深くならざる得ない。
むずかしいもんだ。
だが、三木成夫の本に出会ったことは大いなる収穫だった。
大いなる体験だった。人間のからだ、動物のからだ、植物のからだにたいする大いなる知識を得ることができた。
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