三木成夫の「生命とリズム」読みはじめる
まえから気になっていた三木成夫(みきしげお)という人の『生命とリズム』という文庫本を買った。
図書館で借りればいいともおもったが、いま手に入れないと、結局よまないかもしれない、縁がなくなるかもしれないと思って買った。
最初のほうにある「生について」という文章を読んで、深く胸にとどくものがあって、何時のものなのかとみてみれば、1972年におこなわれた講演をもとにした文章だった。
またしても気がつかなかったなとおもったが、1972年にこの文章を読んでいたとしても、素通りしてしまっただろう。じっさいは。たぶんそうだ。
それに初出一覧をみると、一般の読者の目に留まるようなところに出ていたわけではなさそうだ。この文庫本の元本は1996年の出版だ。
最後まで読んでみなければ、最後まで読まないとどういう本なのか、人なのかわからないところもあるだろうが、三木成夫の医学的な知識と生をみつめる目との感覚的な結合のことばに惹かれる。
こういう人はこのころ、1970年代には他にいなかったんじゃないかな。
三木成夫は解剖学をやっている人で、つづけて読んでいくと、けっこう医学的なむずかしそうな記述のところも出てくるのだが、ぼくとしても曲がりなりにも13年間くらい整体をやってきているわけで、身体についての解剖学的知識と生きた身体の感覚とのつながりがどうなっているんだろう、このときの気持ち良かったり、気持ちわるかったりする感覚、痛かったり、張っていたりというのは身体のどこから、医学的にはどういうふうに伝わってきているんだろうという興味がある。そこで、そのへんで何とかついていけるんじゃないかと思ってる。
表紙の四つの絵は胎児の絵だ。胎児というのは、母親の胎内にいる子というのは、人類の生命の歴史を、経過をたどってくるらしい。
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