「報道特集」
TBSの『報道特集』。いつも面白いというか、興味をもてるというわけではないが、貴重な番組なのでみている。
電波停止発言にたいしての、本来放送法というものはこういうものなんだという見方、考え方はただしいと思うが、まえよく扱っていたヨーロッパの難民問題についての見方には、ぼくはひっかかっている。
ちがう民族、ちがう言葉、ちがう宗教をもった人たちが個人としてではなく、集団として何万、何十万、あるいは百万とじぶんの国に入ってくることに抵抗感や不安感をもつのは、ヨーロッパの、その国の人たちにとってはごくあたりまえのことだとおもうのに、そのことに目が向いていない。そういう心性の「あたりまえさ」というものが視野のなかにはいっていない。
そういう保守性というのは仕方がないというか、人間の自然性ともいえて、否定できるもんじゃない。
否定してしまったら正しいことが正しいことではなくなってしまうように思う。
ましてイスラムのひとたちは容易にはヨーロッパの社会には同化しないことがもう明らかになっているわけだから、これほど多くのひとたちが入ってきてしまったら、将来ヨーロッパがヨーロッパたり得なくなってしまうのではないかと考える人たちがいても不思議じゃない。
いくら正しいことといっても、人間はまったくの観念体じゃないし、生活をしていくうえで、防御や「保守性」を身につけていかなければならないということもある。
人間のもつ本能や自然性を無視したところの思想や見方というのは用心しないと、力をもったときは抑圧になってしまうんじゃないかとぼくは思う。
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