網野善彦「日本の歴史をよみなおす」を読んでいる
網野善彦の『日本の歴史をよみなおす(全)』を読んでいる。まだ読みはじめだが、面白いところがあった。
「日本の村は、その四分の三ぐらいが室町時代に出発点を持っている。」というところ。へぇ~そうなのかと思った。
それと「市場」というものについて。
「交換」するということは、それまでの人と人との、人とモノとの濃い関係を切って、離れて、「無縁」というものを経て、はじめて成り立つものだということ。
「モノとモノとを商品として交換するということは、ある時期までの社会では、普通の状態では実現できなかったことだと思うのです。」
「この問題について、勝俣鎮夫さんが非常におもしろいことをいっておられます。モノがモノとして相互に交換されるためには、特定の条件をそなえた場が必要なので、その場が市場である。市場においてはじめて、モノとモノとは贈与互酬の関係から切り離されて交易をされることになるのではないか。」
「そこにはいると、モノも人も世俗の縁から切れてしまう。つまり『無縁』の状態になるのではないかと思うので、そうなった時にはじめて、モノとモノとを、まさにモノそのものとして交換することが、可能になるわけです。」
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