原節子死す
11月26日の朝刊に「原節子さん死去」と大きく載っていて、ちょっと驚いた。
じぶんで映画館に行くようになったころには、もう原節子は引退していたから、ファンというわけじゃなかった。しかし表情がほかの女優とはちがうものをもつひとだなあと思っていた。
戦後しばらくのあいだ特別に輝いた存在だったというのは、彼女のもっている表情と雰囲気でよくわかった。
原節子の出ている映画では山中貞雄の監督した『河内山宗俊』を観ている。16歳くらいの初々しい姿だった。小津安二郎の『東京物語』も観ているし、あと何本かを観ている。
95歳でなくなったというから、天寿をまっとうしたといっていいだろう。親族に面倒をみてもらいながら敷地内の離れに住んでいて、外に出ることがずっとなかったらしい。
そのこと自体は人にとっていい環境とはいえないけれど、最晩年は体力的な問題があったろうし、もうひとつ写真週刊誌にパパラッチされたことがあるから、そのことを警戒していたのだろうと思う。徹底していたみたいだから、映像以外のものを撮らさないという女優原節子の選択という感じがある。
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