ダーウィン「種の起源」
吉本隆明の『心的現象論序説』を読んでいるとき、フロイトがいたか、いなかったかでは、フロイトの「無意識の発見」があったか、なかったかでは、今のぼくたちの生活はまったくちがうものになっていたのではないかと思った。それで近代の古典というものに興味をもちだして、ダーウィンの『種の起源』を買ったり、フロイトの家で長く家政婦をしていた女性に取材をして、その女性の伝記でありながら、同時にフロイト家の伝記にもなっている『フロイト家の日常生活』という本を図書館に出かけて読んだりしている。
『種の起源』は学術論文という感じで、まさに学術論文なんだろうけど、改行のとても少ない、文章の長いつらなりというかんじのもので、こういうものなんだなと思いながら読んでいる。ものすごいことを書いているといったものじゃない。
あんまり部数は多くなかっただろうし、地味といえば地味で、こういうものが大きな影響をもつようになるというのは、注目するシステムというのか、学界というのか、そういうのがしっかりしていたんだなというのが、読みはじめに思ったことだ。
« ビリー・ホリデイ | トップページ | 近所の風景 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」から(2023.05.29)
- アガサ・クリスティー「死が最後にやってくる」(訳 加島祥造)(2023.05.13)
- 「歩く」(2023.05.12)
- ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」から(2023.05.11)
- 奥野健男「日本文学史 近代から現代へ」読み終わる(2023.05.01)
« ビリー・ホリデイ | トップページ | 近所の風景 »
コメント