ショスタコーヴィチ ワルツ第2番
ショスタコーヴィチの書いた曲のなかで気に入ったもののひとつ。
なんて甘美な曲だろうと思い、しかしなんて憂うつな曲だろうとも思ったのだ。
ショスタコーヴィチの住んでいた世界は「1984」の世界だった。ソルジェニーツィンのような抗議の声をあげるもの凄いひともいたが、ショスタコーヴィチはフットワークを使いながら生きた。
身をかわし、背を低め、ときには声をあげ、また背を低める。しかし限界までそうした。
「1984」の世界ではショスタコーヴィチのように生きるのが精いっぱいだったろう。
理知的な人である。理(ことわり)をたどっていける人だった。しかしそれだけで「1984」の世界を耐えぬいたとも思えない。なにか独特のタフさを、身を流れる地下水を持っていたように思う。
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