吉本隆明・超「20世紀論」
あることで悩んでいて、そのコトバが載っている章を読んだ。救われた。ちがう次元の世界にひっぱられたようなすごい体験だった。
そういうわけで頭からこの本を読んでいる。あたまから読みはじめてみるとちがうんじゃないか、そうではないんじゃないかということが出てくる。
たとえば吉本隆明のもつ科学的な領域の専門家、研究者というものへの信頼感の強さというものが理解できないのだ。
「そういうふうに、事故が起きた場合、原因を追究し、多少の危険を冒しても、身をもって確認をするーーそれをほとんど義務というくらいに心得てやるのが技術者であり、専門家なんだ、というのが僕に観念としてあるんです。」
科学技術者の良心を本能のごとくもつことは不思議ではないけれど、科学の技術者、専門家といえども個人として立っているわけではなく、組織の一員としてあるだろうから、ほとんどの人は組織の利害というものを優先させるだろう。そうとしか思えない。今はそうなっているだろうし、この『超「20世紀論」』が発行された2000年ごろだってもちろんそうなっているだろう。ここは納得できなかったなあ。
というような具合だが熱心に読んでいる。
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