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2014年7月 3日 (木)

「グランド・ブダペスト・ホテル」を観に行く

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 『春を背負って』は失敗作、『ノア 約束の舟』はいまいちといったところで、深くがっかりしていたけれど、この『グランド・ブダペスト・ホテル』は当たり。快テンポの監督が充分に距離をとりつつもていねいに精魂をこめて作った映画という感じで、観おわって充足感がある。

 すぐ後ろの席に大きなビニール袋に入った菓子と飲み物をもった客がすわったときは『ノア』のときも悩まされたのでぞっとした気持ちになった。こういう映画にもそういうのが来るんだなと思ったが、映画がはじまってしばらくはバリボリ音がしていたがそのうち静かになったので、いちおう心得てはいるんだなとホッとしたのだった。しかし映画が終わって後ろを振り返ると気持ちよさそうに大あくびをしていたので、ただ単に眠っていたから静かだったのかもしれない。30くらいの男だったがいったい何しに映画館に来るんだろう。

 映画館で食べ物を売るのは映画館の経営にとって総合的にみればマイナスだと思う。今日は30人から40人といったところの客にたいしてバリボリやったのは一人だけで、他の客は我慢しているわけだ。ぼくなんかはもう映画館を代えようと思った。シネコンから名画座のような所に行きつけの映画館を代えようかとまじめに考えた。

 『ノア』のときは70人から80人にたいして食べ物を持って入ったのは3~4人だった。他の客は、とくに近くに座った客は我慢するわけだ。こういう目に何度も何度もあった観客のなかには映画館から足が遠のきはじめる人もいるだろう。映画館は得してないと思う。

 せめて大きな硬めのビニール袋に菓子みたいなのを入れるのではなく、柔らかい袋にするとか、菓子もバリボリ音を立てないものにするとか考えたらどうなんだろうと思う。映画そのものに興味がある人、その映画を観たくてやってきた人に標準をあわせないなら、映画館の経営は難しくなるだけだろう。みずから足元を崩すようなことをしているのだ。

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