「もっと泣いてよフラッパー」
日曜日の渋谷のシアターコクーンに観に行く。
串田和美の作、演出。美術も串田和美で、一枚の幕がおおきく上手く効果的に使われている。松たか子、松尾スズキ、りょう、大東駿介、片岡亀蔵、大森博史、串田和美らが出演していて、串田和美とその仲間たちの舞台という感じ。
場所はシカゴ。1920年代、禁酒法の時代。ギャングと踊り子たちの時代。きらびやかな夜に君臨するクラブ・リベルテ。
田舎からキャバレーの踊り子の仕事をもとめてやってきた娘ジル(松たか子)は都会の様子がわからず、うろつきまわることになるがやがてクラブ・リベルテに職を得、夜のきらめく光のなかで舞台に立つフラッパーになる、そして・・・というのが中心的なストーリーのながれだが、しかし誰かひとりを物語の中心にすえるというのではない。群集劇にちかいのかな。主役らしいひとは何人もいる。
音楽劇。物語が展開するというのではなく、物語が集まり、散り、集まるという感じ。
まさに音楽劇。第二部から面白くなってきた。観ながら60年代から70年代初めの匂いがするなあと思った。さびしい風が吹き、アナーキーなざわめきがある。77年に初演とあるからこのさびしい風にたいしての反応は当時と今とではだいぶ違うんじゃないかと思った。
第一部に活気がないのは、おそらくこの「さびしい風」への反応がむかしとは違ってしまっているからじゃないかと思う。このことにかんしては串田和美も打つ手がないといったところなんだろう。
ギャング黒手組のボス・アスピリンを演じる松尾スズキがものすごく面白かった。ものすごくおかしい。
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