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2013年12月 6日 (金)

阿佐ヶ谷で

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 ラピュタ阿佐ヶ谷で宍戸錠主演の映画『探偵事務所23 銭と女に弱い男』を観た。

 昭和38年つまり1963年につくられた映画だ。いまの時代にもってくればかなり評判になる映画だろうと思った。金をあまりかけていない、かけられなかった、映画会社とすれば本数合わせで作った映画だと思う。しかし宍戸錠らが面白い映画を作ろうと情熱を燃やしてつくったのがわかる。原作があって大藪春彦。そのせいかストーリーがしっかりしている。モダンさと垢ぬけなさが混然一体となったいかにも昭和30年代という映画だ。それと宍戸錠のアクションの身体のキレのよさがすごい。日本のアクションスターのなかでは史上ナンバーワンじゃないかと思った。身体のキレのよさということでいえば、真田広之よりも上だ。

 ちょうど『清須会議』を観たあとなのでよけいに面白く思った。『ザ・マジックアワー』の監督はなにを思ったか、まったくカタシルスのない映画を作ってしまった。もっとも悪がしこい奴が、もっともいい思いをするという、今の社会そのままのストーリーだから愉快ではない。

 戦国武将たちの権力ゲームを突き放してしまうのではなく、徹底的に茶化すのでもなく、いちばんの巨悪の秀吉に寄りそった作りだからスカッとしない。三谷幸喜監督が自分の人間観、社会観、政治観を出したくなったのだということはわかったが。

 阿佐ヶ谷を少し歩く。ぼくが以前住んでいたアパートまで歩こうとする。駅から10分くらいだったはずだ。みつからない。番地の表示が変わったんだろうか。昔と同じようにせまい路地を折れ曲がり折れ曲がりして歩くがみつからない。

 阿佐ヶ谷といえば都心といってもいいはず。しかし駅からのにぎやかな飲み屋の並びが終わると、ちょっと離れただけなのに古い小さな家がごみごみと始まりつづく。それは30年前に住んでいた頃とあまり変わらない。こういう街のあり方が、こういう在り方が東京というもののカタチなんだなあと考えたりした。

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