やまもとあつこ「ぐーらん ぐー」
やまもとあつこの詩集『ぐーらん ぐー』。言葉の質そのものにつよく惹かれた。
「軽い」のだがそれは作りあげた軽さというよりもやまもとあつこの肩の力がよく抜け、ひじの力がよく抜け、指先の力がよく抜けていることからくる、やまもとあつこの体自身からつたわってくるような「そのままさ」で、だからその「軽さ」には透明感と開かれた空気があるのだ。
いろいろあるにしても、あったにしても自分の資質を決定的には曲げられることはなく、曲げることもなくなんとか生きてきたのだなと想像する。そういうこのひとの自転車に乗っている姿を思い浮かべた。
行と行のよく開いている明るさをもつこの詩集を読めてうれしい。
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