「月の輝く夜に」を観に行く
これは掘り出しものだった。まったくの初見。テレビで観たことも、ビデオで観たこともない。『夜の大捜査線』を撮ったノーマン・ジュイソン監督の作品。しかしアクション映画でもなければ、サスペンスものでもない。濃密で艶やかな愛の話。
アクの強い街の映像でイタリアが舞台かと思ったが、アメリカ・ニューヨークの話だ。アメリカ人にしては濃すぎる家族関係だから、おそらくイタリア系アメリカ人の話だろうと見当をつけていた。調べてみたらその通りだった。
事故で夫をなくした女が愛せる男をみつけるまでの物語なのだが、話がストレートで濃い。家族の話でもある。出てくるひとたちは熱い。アメリカ映画に観る(実際のアメリカ社会でもそうだろう)ギスギスした人間関係とはちがうものがながれている。あの殺伐とした感じがない。これが1980年代後半という時代につくられた映画なのかと驚く。世の中広い。
37歳の主人公を演じるシェール。ぼくにとっては「ソニーアンドシェール」のシェールだが、普通でまともな演技をする。自然でさえある。シェールの相手役のニコラス・ケイジは若々しくかっこいい。その兄役のダニー・アイエロもいい。
月がとてもきれいな映画だった。濃密で艶やかな映画だった。満足感がある。
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