小林秀雄の「ドストエフスキイの生活」を読んでいる
三度目になるかな。面白い。ドストエフスキイという物語をよめる。借金をしまくるところは石川啄木をおもいだすが、啄木のさわやかさは微塵もない。生活破綻者だ。こんな無茶苦茶な人がああいう大小説を書けたんだから不思議といおうか、面白いというか、小説だけには無茶苦茶こだわる。それでも賭博のほうが大事だったりするのだ。ロシアというものがあってドストエフスキイがある。ロシアというものがなければドストエフスキイはない。ロシアというものがなければドストエフスキイは存在しない。
こういうタイプの、おそろしく粘着質な人物は日本にはいない。弱そうで粘り強く、くじけそうでなかなか倒れない。とっくに倒れてもいいところで倒れない。まだ起きている。
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