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ごみ出しに行く。台風がこっちに向かっているらしい。
ビリー・ワイルダーの『情婦』を観たとき、<次は今の映画を観に来よう>と思った。選んだのはウッディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』だった。
ウッディ・アレンのいちばん新しい映画『ミッドナイト・イン・パリ』。よく出来ている。人間や風景への肯定的なまなざしが生きている映画だ。観終わって、気持ちよさがある。映画館に観に行ったウッディ・アレンの映画のなかでは一番気に入った映画かな。結構<そうでもなかったな>という映画もあったけれど、今回はいい。期待以上のものに出会えるとうれしい。
上映が12時半からだったので、映画館のなかで昼メシを食おうと思ったらしい馬鹿がいて、袋をガサコソいわせながら菓子をパクついてやたらやかましかった。ぼくの席から2列ほど前の斜めの座席だったが、まわりの人たちはよく我慢できるなと思った。ぼくだったらまちがいなく一言いっただろう。
菓子馬鹿男のためにときどきムッとはしていたがパリの美しい潤いのある風景は充分目に入っていた。この野郎何か投げてやろうかと思ったときも『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』に出ていたセクシーな女盗賊が主人公の婚約者役で出ていることには気づいていて、ふくらはぎが美しいなと思ったりしていた。
長い菓子馬鹿男の昼食だったが、とうとう食い終わったらしく(菓子だけの昼メシは身体に悪いぜ)、静かになった。それからは邪魔されることなくウッディ・アレンの作る世界にどっぷりと漬かったのだ。
ウッディ・アレンは落ち着いたんだなと思う。オーウェン・ウィルソンの主人公が(ウッディ・アレンの代わりとみるべきだろう)タイムスリップとかするけれど、まっすぐに主人公はゴールに、物語の終わりにたどり着く。今回はそれがいい。
ごみ出しのついでに散歩する。
5時ごろに起きたので、散歩した。
ビリー・ワイルダーの『情婦』を観に行ったけれど、期待ほどではなかった。今からみるとあまりにも古いと言えて、演劇的ともいえるところがあった。ビリー・ワイルダーは『サンセット大通り』『アパートの鍵貸します』がいい映画として記憶にのこっていて、『アパートの鍵貸します』は映画館で観たいとずっと思っている映画なんだが。
収穫はマレーネ・ディートリッヒのキャラクターがよくわかったこと。足に表情のある(脚線美が売りものだった)、鋭角的な身体の線で、しかし顔はとぼけた感じのある、男まさりのイメージという女優だった。こういう感じの女優はいまは見当たらないな、思い浮かばない。
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