« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月

2012年3月28日 (水)

「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」は面白かった

Cimg1848

 シャーロック・ホームズものの第2作目。監督は1作目と同じガイ・リッチー。

 1作目の『シャーロック・ホームズ』は映画館で観て、完成度の高い映画だとは思ったが、こんどの続編の映画評が新聞に載ったりしても観に行くつもりはなかった。なかったが、たまたまテレビで『シャーロック・ホームズ』をやっているのを観ていたら何故かずいぶんと面白く観れるのだ。吹き替えという形がこの映画を飲み込みやすくしていたのか、カットの仕方が奇跡的にピタッと上手くいっていたのか、とにかく面白くてそれで映画館に行こうと思った。

 『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』。

 面白い。コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズとは雰囲気のちがうホームズだが、演じるロバート・ダウニー・Jr.が頭も切れるが暴力的でもある文武両道のホームズを創りあげている。相棒のワトソンにはジュード・ロウ。

 前作でシャーロック・ホームズの恋人だった色っぽい女泥棒は映画が始まってそんなに経たないうちにあっさりと殺されてしまう。殺したのは最大強敵モリアーティ教授だ。いったいどうするのだ。恋人の復讐劇映画にするのかとおもったが、やがて文明の危機を救うという王道のストーリーを走りはじめる。今回はヨーロッパの犯罪王モリアーティ教授との平和をめぐる戦いだ。

 映像は細かいところまでしっかりと作ってあっていい。ストーリーはごちゃごちゃし過ぎていて詰め込むのに疲れてしまいそうになるが、見ごたえがある。3Dでないのがすばらしいじゃないか。

 

2012年3月27日 (火)

「吉本隆明 語る」2012

Cimg1843

 NHK・Eテレでやった「吉本隆明 語る」の再放送を観た。

 見落としていたところ、勘違いしていたことなんかがわかったりした。吉本隆明の顔を長いあいだずっと観ていておもったことは、吉本隆明がいい人でよかったということだ。

 こんなに話ベタなひとがずっと人前で話すことをやめなかったのはすごいと思ったし、話ベタを治そうとしなかったこともすごいことだと思った。

 言葉の本質は伝えるということにはなく、言葉の本質は沈黙にあるという考え方は魅力的だ。人びとを救う力をもったコトバだ。しかしこれは宙空にある言葉として受けとるべきで、じかに自分の生活にもちこむとまちがってしまうのだ。

2012年3月25日 (日)

Cimg1836

 晴れ。快晴だ。

2012年3月22日 (木)

「幕末維新懐古談」

Cimg1831

 高村光雲の『幕末維新懐古談』(岩波文庫)が面白そうだ。これは古本屋で350円で買ったもの。その前にブックオフで105円で買ったつかこうへいの『小説熱海殺人事件』が小説としては怖ろしくつまらないものだったので、ホッとしたというか、当たったという感じだ。

 高村光雲というのは高村光太郎の父親。日本を代表する彫刻家だったというのは、なんとなく覚えている。その高村光雲がしゃべっているのを文にし、本にしたのが『幕末維新懐古談』だ。

 文庫本に載っている高村光雲の写真は、ぱっとしないというか、目立つところがないというか、大した印象をもてないが、しゃべっていること、しゃべりぶりには好感がもてる。彫刻家といっても、仏具の彫刻から始めた典型的な江戸職人というところで、実直だ。いい人柄だなあと思う。こういう人が、こういう人たちが江戸末期、明治の日本にはいたんだなあと思う。

2012年3月18日 (日)

Cimg1827

 吉本隆明がいなくなった世界を生きているという思いが、ここ何日かあるな。
 

2012年3月16日 (金)

吉本隆明死す

 ミクシィのニュース欄をみていたら、「吉本隆明さん死去」の文字が飛びこんできた。グーグルのニュースにも行ってみたが、本当らしい。

 やはり衝撃だな。胸がどきどきしてくる。

 合掌。

「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」を読んでいる

Cimg1784

 今いちばん関心のある表現者は藤原新也。古本屋やブックオフ、ふつうの本屋でとまだ読んでいないものをみつけると、文庫本でも単行本でもかまわず買う。

 エッセイ集『コスモスの影にはいつも誰かが隠れている』(東京書籍)はエッセイによってすこし出来不出来があったりするが、いいものは胸がじーんとくるような、遠くへ連れていかれるような、窓ガラスの向こうをずっとながめているような気持ちにさせられる。

 ふつう物書きは思ったことを文章にするわけだが、藤原新也は行動したことを文章にすることが多い。文学の世界からするとアウトサイドにいる人で、「重要な通行人」というコトバが浮かんできたことがある。「日本のランボーだな」と思った。

 自意識の太い線を失わなかった人だと思う。ぼくらは、ぼくらのほとんどは自意識の太い線を失ってしまう。それは切れる。切れて、切れ切れになる。藤原新也はその太い線をずっと引いてきた人で、きついだろうと思うが、しんどいだろうと思うが、そのことによってじぶんの心の中の物語をうしなわずに済んでいるのだ。彼の中にはずっと引き続いているものがあるのだ。67歳か68歳になってもその生活が光彩を放っているのはそのためだ。することがしたいことが次々に浮かぶというのはじぶんの中の物語が終わっていないからだ。

2012年3月13日 (火)

「幕末太陽傳」を観に行く

Cimg1826

  デジタル修復版の『幕末太陽傳』を観に行った。監督は川島雄三。日活映画。1957年の作品。

 不思議な映画だった。あるエネルギーが時は幕末、場所は東海道品川の遊郭という設定を借りて、跳ねまわり、飛びまわり、明るい方へ行ったり、暗い方へと行ったりしながら、その正体をなかなか明かさないというふうだ。

 品川遊郭・相模屋で派手に飲み食いしたあげく、金はないと開き直った佐平次(フランキー堺)は、相模屋の雑用係をしながら働いて返すことになる。居残り佐平次と名乗ってなんでもやる。佐平次、遊女屋の仕事が合っているみたいで水を得た魚ようによく働く。もちあがった問題、難問、遊女同士のケンカなんぞもなんなくさばいてみせる。やたらと要領のいい男だが病気持ちの風でもある。

 これはどういう映画なんだろう。このエネルギーをどう名付ければいいんだろうと考えた。相模屋を宿にしている高杉晋作(石原裕次郎)らの志士が、開国をせまる外国人たちへの反感から彼らの住む異人館への焼き討ちを計るところまで来て、これは「時代の映画」だろうと思った。そう考えないと焼き討ちをかけた異人館の燃え上る場面のアナーキーなエネルギーの輝きは理解できない。これは当時の観客でなければわからない「場面」でもあると感じる。

 もうひとつ。バイタリティに満ち満ちた、毒々しいほど要領のいい佐平次が不治の病である肺を病んでいるという設定によって、この映画は屈折した顔をもつことになっている。主人公の佐平次の複雑さによって『幕末太陽傳』は普遍的な側面をもつ映画になったといってもいい。

 そしてぼくらはもうこの映画の監督である川島雄三が45歳の若さで死んでしまったことを観る前から知ってしまっているわけだから、当然のように川島雄三が佐平次の病に自らの病を投影させているのだと思うわけだ。その通りだろう。

 1957年、昭和32年に作られたこの映画はいまも観る値打ちをもっている映画だ。

 

2012年3月10日 (土)

神信子さん死去

 同郷の歌人神信子さんが1月31日に亡くなられていたことを知って、驚く。

 ご冥福をお祈りいたします。

Cimg1822

 

2012年3月 9日 (金)

土屋裕正の絵

Cimg1813

 国立にあるギャラリーArt Space 88でやっている土屋裕正の個展を観に行った。どんな人なのだろうと、ネットで調べたら指を使って絵を描く人らしい。遠くから眺められた山の風景の絵が載っている。

 仕事が休みの日に観に行く。晴れ。雨がやんで晴れになった日。この日は『幕末太陽傳』という映画を観に行こうと思っていた。でも地元でいい絵に出会えるかもしれないということの方がリアルだった。

 雪がかぶっているような遠くから眺められた山のつらなりが描かれている絵がある。それよりも小さく描かれた果物や野菜の絵もある。ぼくはこの果物や野菜を描いた絵のおとなしさ、静けさ、おだやかさといったものが、明るく強いようで安定している赤の色調といったものが印象に残った。

 1階、2階に絵がかかってあって2階の絵を観たあとぼくは降りて、土屋裕正の絵を使った絵ハガキを買った。6枚買った。たばこをやめてしまった後は絵ハガキを集めるのがぼくのたったひとつの趣味なのだ。この6枚の絵ハガキは家に帰ってテーブルの上に置いてよく観たけれど、いいものだった。気に入っているものだ。この絵ハガキを買おうと思って渡した人が受付の横に立っていた土屋裕正さんで、長身、長髪の物静かな感じの絵描きさんだった。やはり絵は本人に似るのだ。

2012年3月 6日 (火)

Cimg1805

 雨の日。
 

2012年3月 3日 (土)

「ひょうたん」46号

Cimg1794

 『ひょうたん』46号ができた。ぼくは「光」という詩を書いています。46号から君野隆久さんが『ひょうたん』に加わることになりました。

 これで『ひょうたん』の同人は全部で19人になった。一気に読むにはきつい量になるが、そのへんは編集の相沢育男さんが知恵をしぼって、スムーズな流れにしてくれるんだろうと思う。

 46号に書いているのは、

 君野隆久、岡島弘子、布村浩一、村野美優、相沢正一郎、水野るり子、小林弘明、中口秀樹、長田典子、水嶋きょうこ、小原宏延、絹川早苗、柏木義高、森ミキエ、相沢育男、大園由美子、後藤順、阿蘇豊。

 発行所はひょうたん倶楽部。表紙などの装画は相沢育男+律子。編集は相沢育男。400円。

 

 

 

 
 

 

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »