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2011年4月

2011年4月30日 (土)

綿矢りさ「勝手にふるえてろ」

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 綿矢りさの『勝手にふるえてろ』(文藝春秋)を読んだ。図書カードを使って買った。

 前作の『夢を与える』は綿矢りさは自分に向かないものに手をだしているという印象だったが、今度の『勝手にふるえてろ』は自分の土俵に帰ってきたという感じがする。でも記憶でいうが、『蹴りたい背中』のころとは文章がちがっている、と思う。

 綿矢りさは『蹴りたい背中』を読んだときから気になっている作家。『蹴りたい背中』、『夢を与える』と読んできて、『勝手にふるえてろ』で三つめの小説を読むことになる。

 『勝手にふるえてろ』は軽やかで面白い。楽しい。主人公の「わたし」の気持ちを書いていくときの文章のノリのよさにこの作家の持ち味が出ていると思う。対面でしゃべっているのを聞いているような感じだ。

 ひっかかるところもある。主人公の女性がとても相対的に描かれていることだ。ひっかかる。どの道を歩いているんだろうと思う。思いなおしも、折り合うことも、生きていくための考え、主人公の成長なんだろうと読むこともできるが、そう思いながらも書いている綿矢りさの考えは、芯はどこにあるんだろうと思う。ぶらぶら揺れているこの作家の足場も読んでいる気がした。

2011年4月29日 (金)

朝の空

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 燃えるゴミを出してきた。

 晴れ。

2011年4月24日 (日)

朝の空

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 投票に行ってきた。

 市長選挙と市議会議員選挙。

 晴れ。

2011年4月23日 (土)

朝の空

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 川口晴美さんの詩集『EXIT.』(ふらんす堂)を読み返している。

 スペース的に家に置いておくことが不可能になってしまったので、いただいた詩集などは富沢智さんの現代詩資料館「榛名まほろば」に寄贈するようになった。正直にいえばそれまでは自分が読んだ詩集をひとの手に渡すということには抵抗感がつよくてできなかった。それで置いておくスペースがなくなったときは捨てていた。

 しかしここ何年かで捨ててしまうよりは他の人に読んでもらう可能性があるなら寄贈するのもいいじゃないかと思うようになった。くり返し考えるうちにそれもいいじゃないかと思った。詩との関係性が変わってきたともいえる。

 ダンボールに入れる前に本にしている書きこみを消しゴムでけしたり、カバーの汚れを取ったりする。そのとき詩集をちょっと読み返す。

 川口晴美さんの『EXIT.』。2001年にでた詩集のなかでとくに印象に残っている詩集なのでそれを確認したかった。

 ぼくが読んだ川口さんの詩集のなかでは川口さんが時代に対して最も前傾した姿勢をとっているものといえる。長い散文詩が多い。何かを強く喚起させるということはない。それ自体が時代の床に横たわっているという書き方だ。散文詩に濃縮がないと結局なにも書いていないではないかということになるが、詩のコトバが熱っぽくねばっこく緊張をもつ場合、それは動きだし時代の床を這う蛇になる。そういう詩が確かにあった。

  

2011年4月20日 (水)

「つかこうへい」

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 雑誌で面白いのが文藝別冊の『つかこうへい』(河出書房新社)。

 唐十郎の談エッセイから始まって扇田昭彦の論文エッセイまで読んだ。いまのところ全部読んでいる。充実している。

 つかこうへいの芝居はとうとう観ずじまいだった。観るべきだったと今いっても仕様がない。

 つかこうへいがでてきた70年代、つかこうへいのことを知っても、ぼくは興味をもたなかっただろうと思うが、90年代以降なら観にいっててもよかったように思う。なぜか観に行かなかった。

2011年4月15日 (金)

「トゥルー・グリット」

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 思わぬ拾いものだった。新聞の映画評を読んだとき楽しめる映画かもしれないと思ったが、期待以上だった。

 『トゥルー・グリット』(監督ジョエル&イーサン・コーエン兄弟)。

 正統派の西部劇。バランスのいい映画。昔の西部劇のリメイクじゃないかと思う。ジョン・ウェインが出ていた映画だと思う。

 父親を殺された14才の娘マティ(ヘイリー・スタインフェルド)が、父親の仇を討とうとすご腕だが酔いどれの保安官コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇い、父を殺したならず者チェイニーを追いかける。おなじくチェイニーを追うテキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)も加わって荒野のなかの追跡劇がはじまる。

 仇を討つことをけっしてあきらめない14才のマティを演じるヘイリー・スタインフェルドが可愛い。生意気で頭のいい少女を演じて生き生きとしている。酔いどれ保安官のジェフ・ブリッジスもいい。

 大地震のショックもあるし、いろいろあってストレスがたまっているので、気晴らしのできそうな映画を選んでみたが、見事当たった。しっかりした後味のわるくない映画だ。バランスのよさが安定感をあたえてくれる。トゥルー・グリットというのは真の勇気という意味。

2011年4月10日 (日)

桜が満開

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 桜が満開だ。散りはじめている桜の木もある。

 都知事選挙に行ってきた。誰に投票するか迷った。投票にいく直前に決めた。

2011年4月 9日 (土)

下村康臣「黄金岬」

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 下村康臣の詩集『黄金岬』(ワニ・プロダクション)を読み返した。

 一、二編のつもりだったが、全部の詩を読んでしまった。暗い持続力と緊迫感。ずっとひとつのものを見ている眼。

 開いている世界ではない。しかし確かに何かが響き、伝わってきたと思える。

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