「最後の椅子」
齋藤恵美子さんの詩集『最後の椅子』(思潮社)を読んでいるとき、強い幸福感のようなものを感じた。
昼のダイニングキッチンであかるい光りのなかで、この詩集を読んでいるとき、その感情がやってきた。
まだ全部読んでいないが、『最後の椅子』はたぶん、老人介護施設、養護施設のような施設のなかの、老人たちの醜態、動態といったものを、その一人ひとりの有り様を、ゆったりとしたのびやかな語り口、リズムで、徹底的に肯定的なまなざしで書いた詩集で、どうしてそんな幸福感がやってきたのか分からないが、つよい満ちた感情だったので記しておきたい。
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