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2010年10月11日 (月)

石井一男の「女神」を観に行く

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 銀座にあるギャラリー枝香庵に石井一男展を観に行く。

 有楽町の駅を降りるとすごい人混みで、銀座ってこんなに人が集まる所だったんだろうかと思う。

 石井一男はテレビ『情熱大陸』で観た印象が鮮烈で、無防備に絵を観ることができるんだろうか、とそのことを考えていたが、絵はぼくの先入観とはちがっていて、やわらかい絵だった。観る者との間合いをゆるやかに取る絵で、そのことにショックを受けた。

 何点かの「女神」があってそのなかの一つに心ひかれたが、小さな画廊で、ずっと観ているわけにもいかない。石井一男という画家にぼくは「孤独」というイメージをもっていたが、切り立ったものよりもやわらかさを強く感じさせる絵だった。仏像のようだと思ったし、観る者との境界をこの画家は独特のやり方で、何度も何度も塗って塗って埋めて、消してしまっているんだろうかとも思った。

 駅に向かう。なじみのない大きな街でぼくが何も考えずにはいれるところといったら本屋しかない。もう少しこの街にいようと思って本屋の方に歩いた。

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