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2010年7月 5日 (月)

「アウトレイジ」を観に行く

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 北野武の映画はけっこういろいろ観ているが、全部、テレビで観たか、ビデオを借りて観たもの。『アウトレイジ』はテレビの予告編一本で映画館に行く気になった。

 黒い車が走り過ぎていく、その車を真上からカメラが撮っている、車がちょうど真下に来たときに黒い車の映像がとまる。そして「OUTRAGE」のタイトルが浮かびあがってくる。ここが鮮やかだ。

 北野武の映画でいちばん印象にのこっていたのは『あの夏、いちばん静かな海。』だが、『アウトレイジ』は対極にあるような映画。

 ヤクザ世界の下っ端のほうから貧乏くじを引いていくようなありさまと、同時にバイオレンスな椅子取りゲームを面白く、グロテスクに描いていく。

 巨大暴力団組織のトップから末端の小さな組までからみあいながら映画は動く、この小さな組の組長がビートたけし。

 ストーリーだけ、骨組みだけで出来ているような映画だなと思ったが、後半からのびやかな感じがでてきて、こののびやかさに触れたとき観に来てよかったと思った。

 観ているとこのやくざ抗争映画は、いまの日本の社会の戯画のようにも思えてくる。北野武監督の世の中への、今の社会の人間の在り方へのリアルで確かな目を感じる。よく見ているんだなと思った。

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