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2010年6月20日 (日)

「告白」を観にいく

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 映画『告白』(中島哲也監督)を観にいった。

 サスペンスな復讐の映画。観ているうちに個人的な体験をひきだされるようだった。

 主演の松たか子は愛する娘を殺されて、心が死んでしまった人間の、復讐をするしかなくなってしまった人間の凄みをにじみ出す。最後の複雑な表情、「あいまいなところ」は松たか子の感情が入っているのか、原作がそうなっているのか、監督の指示なのか、そんなことも考えた。

 冒頭の「私の娘は・・・このクラスの生徒に殺されたのです。」という女教師(松たか子)が教壇で語る長い告白が斬新。

 映画の中学校の生徒たちの人間関係のなさというか、「内戦状態」のような関係のなさを、生徒たちと同世代の観客は「分かる」んだろうか、「共感」するんだろうか、すんなり受けいれるんだろうか、聞いてみたいように思った。

 小さな娘を殺されたと知った女教師・森口悠子は復讐をはじめる。サスペンスストーリーの乾いたこの映画がよく大ヒットしているなあと思ったが、犯人の一人、少年Aの内部世界を解きあかしていくところから映画にふくらみがでてきて、これなら納得できると思った。

 森口悠子も少年Aも荒廃しているが、いちばん印象にのこるのは教室の中にいた生徒たちだ。あの生徒たちの雑然さ、猥雑さ、殺伐さ、人間関係の何もなさが、皮膚感覚というか体の底に残るようだ。

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