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2009年10月 7日 (水)

詩の出来事と詩

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 長田典子さんの個人詩誌『KO.KO.DAYS(ここでいず)』3号に詩「歩く、買う」を寄稿しました。個人詩誌に書かせてもらうのは久しぶりです。

 伊藤芳博の詩集『誰もやってこない』(ふたば工房)を読んだ。合わせて3日間で読んだから、ぼくとしてはよく読めている。この夏くらいからかなり詩集を読めるようになった。

 『誰もやってこない』は伊藤さんの前向きに倒れているような姿勢が印象的な「強い詩集」だ。

 巻頭の「同時多発テロ」は高層ビルに突っ込む飛行機を映すテレビの画像と、伊藤さんの生活の世界を交差させるように描き出し、「同時多発テロ」と伊藤さんの生活を拮抗させ、対抗させているすぐれた一編だ。

 ぼくは詩に政治的なことを書くことには反対という考えだ。『誰もやってこない』はほとんどが政治的、社会的な題材を扱った詩の詩集だが、数編をのぞいて違和感をもたなかった。それはこの詩人がみずからの「立場」よりも世界で起こっている出来事に肉薄しようという「こころ」の方を書きえているからだと思う。

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コメント

秀作を、寄稿してくださり
ありがとうございました。
発行が遅れてしまいすみませんでした。
これからも、どうぞよろしくお願いします

長田さん、書き込みありがとうございます。

編集、発行ご苦労様でした。

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