詩の出来事と詩
長田典子さんの個人詩誌『KO.KO.DAYS(ここでいず)』3号に詩「歩く、買う」を寄稿しました。個人詩誌に書かせてもらうのは久しぶりです。
伊藤芳博の詩集『誰もやってこない』(ふたば工房)を読んだ。合わせて3日間で読んだから、ぼくとしてはよく読めている。この夏くらいからかなり詩集を読めるようになった。
『誰もやってこない』は伊藤さんの前向きに倒れているような姿勢が印象的な「強い詩集」だ。
巻頭の「同時多発テロ」は高層ビルに突っ込む飛行機を映すテレビの画像と、伊藤さんの生活の世界を交差させるように描き出し、「同時多発テロ」と伊藤さんの生活を拮抗させ、対抗させているすぐれた一編だ。
ぼくは詩に政治的なことを書くことには反対という考えだ。『誰もやってこない』はほとんどが政治的、社会的な題材を扱った詩の詩集だが、数編をのぞいて違和感をもたなかった。それはこの詩人がみずからの「立場」よりも世界で起こっている出来事に肉薄しようという「こころ」の方を書きえているからだと思う。
« 「空気人形」を観た | トップページ | 「さぶ」と「掌」 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」から(2023.05.29)
- アガサ・クリスティー「死が最後にやってくる」(訳 加島祥造)(2023.05.13)
- 「歩く」(2023.05.12)
- ヘーゲル「哲学史講義Ⅰ」から(2023.05.11)
- 奥野健男「日本文学史 近代から現代へ」読み終わる(2023.05.01)
ありがとうございました。
発行が遅れてしまいすみませんでした。
これからも、どうぞよろしくお願いします
投稿: 長田典子 | 2009年10月 8日 (木) 01時16分
長田さん、書き込みありがとうございます。
編集、発行ご苦労様でした。
投稿: 布村 | 2009年10月 8日 (木) 18時45分