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2009年9月29日 (火)

「空気人形」を観た

20090929_cimg0290

 『空気人形』(是枝裕和監督)を観に行った。

 「人間になろうとした空気人形」の悲哀、痛みを、人形の真っ白い心を韓国女優ペ・ドゥナがピタリと演じている。たどたどしい日本語が合う。

 人形が人間のようにしゃべり、働き、恋をして、歩きまわって、それで物語が進行していくというのに観ていて違和感をもたない。何とも不思議な映像の波動というか、微妙な円環した世界が造られているのだが、人形の「生みの親」のオダギリジョーがでてきてから、このバランスがくずれる。このあとのつらい結末までもっていく映画的理由はないと思うのだが、原作があるらしいから仕方ないのか。ぼくはもったいないように思った。

 風景がよかった。高層ビルとボロい低い建物がすき間なく並んでいる街の映像は、それを一つにとらえている映像は、なつかしいようなさみしいような親しいような気持ちにさせる。

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コメント

誤記直しました。

空気人形、ぺドゥナが出ていますし、見に行きたいなあと思ったりします。ファンなのです。
でも是枝監督の作品はなんとなく苦手なのでどうしようかなと思ってます。
日記を読む限り、映像的にひじょうに美しい映画のようにお見受けします。ストーリーに難があるのかな。
ところでメールにもかきましたがKO.KO.DAYSの作品よかったです。ありがとうございます!

いしかわさん

書きこみありがとうございます。

「空気人形」、映像が美しいというよりも、人形が人

間のように行動しているのに、違和感を感じさせな

いというそのことをよくカバーしているというか、微妙

感をよくもちこたえていると思います。


風景はよかったです。月島あたりらしいんですが、

高層ビルをふくんだ街の風景を撮ってノスタルジイを

感じさせるのだから、よく撮っています。最初新宿か

と思ったんですが、海か川が見えているので違いま

した。


ペ・ドゥナは印象強いです。この映画に必要な俳優

でした。

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