「空気人形」を観た
『空気人形』(是枝裕和監督)を観に行った。
「人間になろうとした空気人形」の悲哀、痛みを、人形の真っ白い心を韓国女優ペ・ドゥナがピタリと演じている。たどたどしい日本語が合う。
人形が人間のようにしゃべり、働き、恋をして、歩きまわって、それで物語が進行していくというのに観ていて違和感をもたない。何とも不思議な映像の波動というか、微妙な円環した世界が造られているのだが、人形の「生みの親」のオダギリジョーがでてきてから、このバランスがくずれる。このあとのつらい結末までもっていく映画的理由はないと思うのだが、原作があるらしいから仕方ないのか。ぼくはもったいないように思った。
風景がよかった。高層ビルとボロい低い建物がすき間なく並んでいる街の映像は、それを一つにとらえている映像は、なつかしいようなさみしいような親しいような気持ちにさせる。
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