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2009年9月

2009年9月29日 (火)

「空気人形」を観た

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 『空気人形』(是枝裕和監督)を観に行った。

 「人間になろうとした空気人形」の悲哀、痛みを、人形の真っ白い心を韓国女優ペ・ドゥナがピタリと演じている。たどたどしい日本語が合う。

 人形が人間のようにしゃべり、働き、恋をして、歩きまわって、それで物語が進行していくというのに観ていて違和感をもたない。何とも不思議な映像の波動というか、微妙な円環した世界が造られているのだが、人形の「生みの親」のオダギリジョーがでてきてから、このバランスがくずれる。このあとのつらい結末までもっていく映画的理由はないと思うのだが、原作があるらしいから仕方ないのか。ぼくはもったいないように思った。

 風景がよかった。高層ビルとボロい低い建物がすき間なく並んでいる街の映像は、それを一つにとらえている映像は、なつかしいようなさみしいような親しいような気持ちにさせる。

2009年9月27日 (日)

喫茶店でよむ小林秀雄

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 『本居宣長』読み続ける。江戸時代の文に出会ったときは、声を出してよむことにした。そうするといくらか、体に入ってくる。よんでいて文章の中を小林秀雄の柔らかな心が流れているのを感じる。

2009年9月23日 (水)

朝の空

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 曇り。

 『カムイ外伝』を観に行った。

 白土三平の漫画『カムイ外伝』の実写化。崔洋一監督。

 松山ケンイチのカムイが運動量抜群。原作を読んでいるせいか、話のつながりを悪く感じるところもあるが、夏の海が美しく、夏の島でのカムイと追忍たちとの戦いは力感充分。

2009年9月22日 (火)

「柳生武芸帳」

 『柳生武芸帳』(稲垣浩監督・1957年 東宝)を観に行く。

 1950年代の日本映画ならまずハズレはないだろうと思って行ったのだが、面白い!とまではいかなかった。オールスターキャストであることと忍者役の三船敏郎の動きがいいことが目についた。三船敏郎は体力のある役者だったんだなあ。

 受付のあるフロアに劇場や映画祭などのチラシが置いてあって、その中の一枚、石原裕次郎のそばで顔をあお向けてかすかにほほえんでいるような浅丘ルリ子がたとえようもなくセクシーで美しい写真のチラシ。日活映画『憎いあンちくしょう』の一場面。この日いちばんの映画的収穫だった。

 映画館のある一角の地下が芝居のできる小屋になっているようで、けいこ中なんだろう、ときどき役者たちがタバコを吸うためにあがってくる。よくタバコを吸う人たちだ。この人たちはどうなるんだろうと思ったり、ひさしぶりに映画館のある阿佐ヶ谷にやってきて、なじみのある街だから、自分の変わりようにハッと気づいたりしていた。

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2009年9月17日 (木)

喫茶店で読む小林秀雄

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 待望の小林秀雄の『本居宣長』(新潮文庫)を読みだすが、最初のほうから江戸時代の人である本居宣長の文がそのまま長く載っているところがあり、とりあえずここは軽くながして続きを読もうとするが、またこういう文が載っている。これはだめだな、『本居宣長』はあきらめて、最初に読んだ『考えるヒント』にもどろうかとも思ったが、どうしたもんか。喫茶店で読むには向いていない。

 読みつづけるが、何で小林秀雄はこんなに読みにくいものを書いたのだろうと思わずにいられない。読者が苦労するだろうことは当然わかっているのだ。何か考えているのだ。

2009年9月16日 (水)

朝の空

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 晴れ。

 新聞の第一面は「鳩山内閣きょう発足」の見出し。

2009年9月11日 (金)

朝の空

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 晴れそうな感じ。

2009年9月 9日 (水)

朝の空

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 曇り。風はあるようだ。

2009年9月 3日 (木)

「わたくしごと」を読んでいる

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 大家正志の批評・エッセイ集『わたくしごと』(ふたば工房)を読んでいる。

 「SPACE」という雑誌に書いた長めの編集後記のようなものを集めて作っていて、1998年のものから2008年のものまで載っている。この人は詩人である。こういう人がいたんだなあと思う。確かな文章力で気楽に読ませ考えさせてくれる。

 著者のアンテナにひっかかったものを、音楽、映画、文学、美術、社会的出来事などについて書いていて、河瀬直美、小津安二郎、ジョン・コルトレーン、藤原新也、キム・ギドクなどなどアンテナはいろんなものをキャッチする。

 「小津の映画をTVで見る」「コルトレーンのこと」「キム・ギドク」、この三つがとくにいい。

 詩の世界にこういう人がいたのかと、驚きつつ読んでいる。

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