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2009年2月19日 (木)

「永遠さん」を読む3(終)

 『永遠さん』には38編の詩がある。38編の詩を読むのはきつい。何故、詩を読むのかといえば、詩のなかにある言葉の力にひかれているのだと思う。

 詩の行がつぎの詩の行を産む、飛躍の力が好きだ。休みの日の昼に、テレビも点けず、エアコンの運転音が響くなか、黙々と詩を読んでいるのはそれだ。この「飛躍」を体験するために読んでいるのだ。さて、それにしても疲れる。詩ほど、書くにも、読むにもエネルギーを使うものはない。なんにもならない。なんにもならないが、まだ書いて、まだ読んでいる。

 

 わたしは普通に生きたいなって真剣に思うようになっ
  た
 普通って何?
 って聞かれると普通の人なんていないと否定されてし
  まう悲しさをもっているけれど
 普通っていいよね
 努力しなければなかなか普通の人生って送れない
 地道に今日も働いてご飯作って洗濯して台所の床を
  拭いて
 そうやって生きていたら詩人ではなく普通の人になれ
  るかな


                福島敦子「普通の人に」より

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