小林秀雄について
小林秀雄の『ドストエフスキイの生活』(新潮文庫)を読み終わる。
小林秀雄ほど今のぼくに示唆をあたえてくれる批評者はいない。何故なら小林秀雄の書く文章はあくまでも小林秀雄という「私」の書いた文章だからだ。したがって読んでいると必ずぼくの「私」が浮かびあがってくるのだ。
この文庫本の余白に多くの書き込みをした。ぼくの抱えている問題、苦悩、怒り、憎しみについての考える道筋のヒントをあたえてくれた。晩年の大作という『本居宣長』も「思想家」の書いたものではなく、「理論家」の書いたものでもない、批評者の書いたものであることを願わずにはいられない。そうであるならそこでも多くの示唆を受けとることができると思う。
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