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2009年2月22日 (日)

晴れ、そして村上春樹

 テレビのニュースで村上春樹がエルサレム賞を受賞したときの講演を見ていた。いい印象をもった。まじめでまともな人なんだなと思った。

 イスラエル対パレスチナという政治的思考を外したところに出ていく立場をとったのはさすがだと思った。

 ぼくが村上春樹がイスラエルでエルサレム賞という文学にたいしての賞を受賞するということを知ったのは、ある人が出しているメール版個人誌でだった。イスラエルの政治的な立場をとりあげて、かなり皮肉な見方を村上春樹にたいしてとっていたように思う。こりゃあ、大変だな、村上春樹さんは「なんで、おれに賞なんかくれるんだろう」とぼやいているんじゃないかと思った。それで興味をもって新聞の報道を読んだし、テレビでの受賞スピーチのニュースを観た。

 賞というものはやるといったら、基本的にもらうしかないものだろうし、「この賞をもらうことによって、イスラエルの立場を支持しているのではないかと思われることを心配した」というようなことを率直に言っているのがよかった。心のなかで、それを認めることによって、この受賞にたいして自分はどうするのかという思考がリアルに動いていったんじゃないかと思う。

 そしてそれを観ているぼくは、メール版個人誌に載っていた批評がきわめて政治的な思考であり、それ以外の思考をゆるさないものだと気づいた。

 これから『海辺のカフカ』を読もうという者にとって、村上春樹が、この受賞にたいしてとった態度は、本を読むことのじゃまになるものではなかった。まあ、何のニュースにもならないほうが読みやすくはあるけれど。

  

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